消化器分野の超音波内視鏡
・通常は左側臥位。先端に振動子が装着されているので先端の硬性部がやや長く咽頭~喉頭を通過する際に通常の消化器内視鏡よりも強めのup angleが必要。
偶発症
穿孔(0.019% 十二指腸球部から下行脚に進める際に多い。)
FNAでは0.289%(出血・腹膜炎)
機能
- H-flow mode
- Tissue Harmonic Echo (THE mode)
- Elastography (ELST mode)
- Contrast Harmonic Echo (CH-mode)
・THEモードはUSが組織が伝播する際に発生する高調波成分が画像化されるたartifacが減り解像度が上がる。
THE-R(高解像度優先) 小さい腫瘍でも内部構造が明瞭化される
THE-P(深達度優先) 深部まで診察ができるのでスクリーニング
・ELSTモード
硬い部分は青く、柔らかい部分は赤く。炎症性は色が混在する。
ただ線維化を起こした慢性膵炎などは青くみえるので癌との鑑別は難しい
・CHモード
高調波成分のみが増強されるため、シグナルの特異度が上がる。
1 non-enhance 2 hypo-enhance 3 iso-enhance 4 hyper-enhance
PKの96%は hypo, P-NETの75%はhyper、良性はisoが多い
GISTの腫瘍内血管の描出、IPMNの結節の検出にも有用
リンパ節はheterogenousに造営されると転移の確率が高い
EUS-FNA
リンパ節は5回以上、膵臓では7回以上穿刺しても診断制度ふえない。
EUS-FNA陰性の場合、再度で6-8割が陽性に転じたとの報告。
2回程度までは繰り返す意義はある。
・7-8時方向
・膵臓では25Gと22Gは同等か。Uncinateでは25Gが良好。
・胃では22Gが基本だが、病変が逃げるときは25G。壊死は避ける。
EUS-CDS
・穿刺針と胆管の角度は60度。肝門部近くは避ける
EUS描出法(ラジアル)
経胃操作;膵臓はCTやUSと同じような画像
膵尾部はすこし右アングルをかけると描出できる
経十二指腸操作:
pushで乳頭とSDAの間でprobeが前後方向にむけば、体の背側からみた画像に。
このとき内視鏡画面は上から下行脚を見下ろす画面でprobe左に胆管
(upをかけると下を向く場合)
Pull:下行脚に水を満たし乳頭を描出
その後upをかけてcounter-clockwise操作でprobeが前後方向に(ただ抜けやすい)
このとき、胆管はprobe右側に見えることが多い(pushのときと逆)
ラジアルEUS
胃内
・体下部でSpVを描出して膵体部をまず描出。
・時計回転+引き抜きで膵尾部
・反時計回転+push 膵頭体移行部
十二指腸2nd
・7時方向にIVC, Aorta 5時方向に膵実質
・scopeにup angleをかけてAorta/IVCを長軸に。Aortaが上方9-3時になるように回転。
・SMVとプローブの間にuncinateが描出される。Aorta近くの十二指腸壁に注目しつつ少しスコープを引くと三角形の壁肥厚部が乳頭部。
・乳頭部が確認されたら内部に管腔構造を探す。スコープをやや時計方向に回転させると膵管、反時計回転で胆管。
・乳頭の描出は脱気水などを用いて、膵管・胆管が十二指腸固有筋層を貫くところまで描出する
・胆管が描出されたらスコープを少しずつ抜きながら肝門部に追跡する。胆嚢管の分岐・胆嚢頸部などが描出される。
十二指腸球部
・スコープが球部まで抜けると頭体移行部に描出される。
・2ndで胆管がみえない場合、プローブを足側に向けてスコープをゆっくりと2ndに押し込んで操作する。
・胆嚢はプローブが頭側を向く場合と足側を向く場合は頸部が左右逆転。
ラジアルの注意点
・膵頭体移行部は要注意。球部からバルーン拡張させたままの引き抜きで初めて描出される。コンベックスでは球部からで容易に観察可能。
・胆管と門脈の長軸方向、肝門部の描出はコンベックスが容易。
・膵管を長軸に描出はラジアルが容易。
EUSで乳頭を上手に出す方法
ラジアル
・基本はpull
・縦断法:膵頭下部から乳頭部を描出するにはまずスコープにup angleをかけて、画面左側にAorta/IVCを右側に膵実質を。スコープを引き気味にすると3時方向に三角形の低エコー帯が認識される。管腔構造を微妙な左右アングルやスコープ出し入れで探す。
バルーンに近いほうが胆管。
・横断法:画面の左側にAortaとIVCの横断像、右側に膵頭部の膵実質。スコープを引き気味にすると十二指腸壁の肥厚部が認められる。ここが乳頭部。
・どちらの方法でも膵管・胆管が十二指腸固有筋層を貫通する画像を撮像することを意識。
EUSで胆管の描出
・ラジアル
pull法:乳頭部近傍で胆管を描出した後に肝門部に追う。その際にスコープを無理に引くのではなく、自然に口側に抜けてくる動きを利用すると胆管を連続的に描出。
push法:球部からSDAに慎重に挿入すると門脈が9時方向に長軸に見える。ここで微妙な出し入れで門脈の手前に胆管が見える。